ピアノレッスンにおける親の役割
ピアノ教室入会後の保護者様からの質問で一番多いのが 「私がピアノを教えられなくても大丈夫でしょうか?」です。
先生が「大丈夫ですよ!私の両親も未だにピアノのピの字も知りませんから。」と 答えると「そーなんですか!」と安心するようです。
これは、保護者様がピアノ未経験の場合です。最近の保護者様はピアノを習っていた方も多いのです。
親がピアノを教えない方が良い理由は、たくさんあります。
「親がピアノを教えない方が良い理由」はたくさんありすぎて、 こうだ!とは断言できません。
ココはピアノ教室なのでピアノに関して書いてますが、他の習い事もそうなのではないでしょうか?
親がピアノを教えない方が良い理由は、ズバリ書かせていただくと「ロクなことにならない!」からです。
かつては、自分もピアノを習っていた。
最近の保護者様は、ピアノかエレクトーンを習っていた方も多く、初心者の子供のレベルなら自分も教えられると思っている方もいます。
お子さんの初めての習い事なら、なおさら気合が入り、保護者様もやる気満々でピアノ教室を訪れるのです。
親がピアノを教えると子どもとケンカになるか、険悪なムードになる。
親と子というのは、血がつながっていたり、生活を共にする内に 生活習慣や考え方、性格などが似てきます。
つまり濃い間柄なのです。
たとえ、大人と子どもでも似た者同士なのです。
似た者同士が間違えを指摘すると、濃すぎて間違いなくケンカになりす。
「濃すぎる間柄」は冷静には慣れないのです。
見ず知らずの人同士なら、相手を傷つけないように言葉を選んだり、「今日できなくても明日があるよ。」と励ますこともできるでしょう。
しかし似た者同士だと、そうはいかないのです。
親が、人にピアノを教えられるレベルではない。
昔、保護者様がピアノを習っていたとして、それはいつ頃の事でしょうか?
小学生、中学生…まで習っていたとして、それが今から何年前の事だったか、考えた事あるでしょうか?
軽く10年は経っているのではないでしょうか?
そして、ピアノを習っていた時、毎日毎日練習するようなお子さんでしたでしょうか?
ピアノ演奏以外にもコンサート鑑賞したり作曲家について調べたりしたでしょうか?
もし、そのようなお子さんでしたら、今もピアノを続けているはずですよね?
現在は、ピアノから遠ざかっていますよね?
そして、子どもは未来に向かって成長して行きますが、大人は残念ながら老いてゆく者です。(成長はしますが、子どもに比べるとかなりゆったりです。)
昔できたと思っていたら、全然身体が動かなかったという話は、よくある事です。
そして、それはピアノ教育も同じです。
たとえクラシック音楽でも、音楽教育は時代に合わせて進化しており、生まれてくる子ども達も進化しています。
今の子ども達は顔は小さく、手足が長い子がほとんどで羨ましい限りです。
最近では、毎年違うタイプの子ども達が、ピアノ教室に入会してくるので2、3年前のやり方がまったく通じないことがほとんどなのです。
ですから、過去の受けたピアノ教育が、今の子ども達に通じるとは限らないのです。
数十年前の過去の経験だけでは、人に教えられないのです。
ピアノの先生が教えられる理由。
ピアノ講師は生徒さんにピアノを教える立場ですが、褒めたり励ます事がほとんどです。
しかし、なんでもかんでも褒めれば良いわけでなく、ピアノ講師のように音楽能力がはるかに高い人から褒められれば、認められたということになり、とてもうれしく思うのです。
しかしこれが保護者様だと、子どもが数年ピアノを習えば抜かされるレベルなので、教える立場としては、相応しくないと言えます。
保護者は子どもの為に何をすればよいのか?
子どものピアノ教育の為に、保護者様は何をすればよいのか?
それは、子どものサポートだと考えてます。
サポートの内容は、「子どもの力だけではどうしようもない事を、助けてあげる」です。
具大的には、
- ピアノを用意する。
- 楽譜を用意する。
- レッスン会場に連れて行く。
- 音楽コンサートに連れて行く。
- 動画サイトなどで、練習している曲を聞かせる。
- 作曲家の生涯の本やサイトなどを用意する。
- 音楽番組を見せる。
- 発表会に参加する。
- 発表会の衣装を用意する。
- 音楽を聴くオーディオ機器を用意する。
・・・・など、ピアノを弾くのにふさわしい環境を整えることです。
これらの事は、お金もかかるし、時間もかかります。 将来、モノになるかどうかもわかりません。
そこで、保護者様が「せっかくピアノを習っているのだから、コンサートにでも行ってみようか?」とピアノレッスン以外の活動を家庭に取り入れて下さると、子ども達の中に良い音楽が蓄積されていくのです。
ピアノレッスンで教えてもらうこと以外に、そのような経験がある方が、断然ピアノ演奏にハリが出るのも納得いくのではないでしょうか?
自分の習い事に保護者様が応援してくれていると感じれば、自分からピアノを弾くようになるかもしれません。(^^)/